日本の写真マーケットについて

日本の写真マーケットについて

「写真マーケット」は、私にとって最大の課題かもしれません。1979年に写真専門ギャラリー(P.G.I. )のディレクターを始めたとき、これから日本にもアメリカのような写真マーケットができると信じていたものでした。しかし現実は厳しく、その後何年経っても、日本にまともな写真市場ができることはありませんでした。結局、そのまま30年以上経ってしまったというのが現実です。

なぜ日本には写真マーケットが育たないのでしょうか。

第一に、写真が一つの文化として確立されなかったこと、そして、日本では写真が「複製できるもの」として軽視されてきたことが原因なのではないかと私は考えています。つまり、写真のプリント(印画紙)そのものが作品であるという認識が低いのです。

オリジナル・プリントを実際に手に取るとわかりますが、そのものの存在感、重み、光沢、すべてが作品として完成されていて、そこには撮影からプリントまで含めた作者の世界があり、美術品(というと語弊があるかもしれませんが)としての価値を感じることができます。それを手にしたいという思いが生まれ、写真マーケットはできていくのではないでしょうか。

日本にはそういう作家も少ないし、買い手も少ない。買い手というより、そういう見方すら根付いていない。この問題は本当に難しく、根が深く、絶望的な状況なのですが、しかし、このまま見過ごすことができないというのも本音で、昨年からJPADSにも参加しています。2月には「THE・JPADS・PHOTOGRAPHY SHOW 2011」もありますので、こちらもよろしくお願いします。